みなさん、こんにちは。Bくまです。

かなりのご無沙汰投稿となってしまいました。

というより、この空いている期間の間にコロナ禍で日本はとんでもないこととなりましたね。

みなさん、無事にお過ごしでしょうか。


当然、コロナ禍での休校要請を受けて、私の勤務校でも休校、5月にはオンラインを使った映像配信を行っていたりしました。
週に四本動画を作っていましたが、いやー辛いですね。
Youtuberの方々本当に凄いなと感心するばかりでした(笑)


さて、そんな話はさておき
いつものごとくネタに一貫性がないのですが
今日はリーディングの話をします。

というよりは、
「自分はどのくらいリーディングができるのか、どう確認すればいいのか」
について、簡単な方法を思いついたのでご紹介したく思います。


所謂リーディングスパンテストやread and look up的なアプローチを応用したメソッドなのですが
やり方はシンプルです。
「ある一定の長さの文章を全て書き写すのに何回見直したか」を数えるだけです。


やり方は以下の通りです。
1、それなりの尺の英文を用意します。(100-200語程度でいいと思いますが、レベルに合わせて)

2、その文章をまっさらな紙に書き写します。このとき、見ながら書き写してはいけません。見ている間はペンを動かさず、文章を出来る限り多く暗記し、用意ができたら、文章は裏返して記憶を頼りに書き写します。

3、書き写すときは、飛び飛びで書き写すようなことはせず、連続体で書けるところまで書き、そこで止めます。
 
4、できるところまで書き写せたら、もう一度文章を見ます。自分が書き写したものの続きの部分からまた暗記します。同様に文章を見ている間は書き写してはいけません。 出来る限りたくさん暗記できたら、文章は裏返しにし、覚えている部分を続きに書き足していきます。

5、文章全てを書き写すまで、2〜4を繰り返します。 


注: 一度書き写した後、再度文章を見たときに「さっきの書き写しが間違っていた」と気づいても、修正はせずそのままにします。



これはまだ試行段階なので、これをどう点数化するかまでは詰め切れてませんが、変数としては

1、全部書き写すのに文章を見た回数
→ここから一回あたりの平均書き写し語数も出せます。

2、かかった時間

3、書き写し間違えた箇所の数

こんなあたりではないかと思います。


基本的には1と2は比例する関係にあると思われるので、今のところは無視して
「何回で書き写せたか」を見てもらうと、自分の総合的な英語リーディング力の指標になるような気がしています。 


なぜ、これが総合的な英語リーディング力の診断テストになりうるかというと、以下のような認知的な説明ができる可能性があるからです。


・一度に記憶できる情報の量には限りがある。(通説では7つほど?)

・ ただ、どの程度のまとまりの情報を「1つ」と見なすかは、対象の情報を処理するのに自分がどの程度馴染みがあるかによる。(ここでいう情報とは「英文」のこと)

・すなわち、対象の情報操作に慣れているほど、対象の「チャンク」は大きくなる。記憶できる英文の量が増える。

・また、暗記したものを再現しようとするとき、その情報の中の法則性を知っている方が再現の負荷が軽くなる。ランダムな数字の羅列を覚えるより、ある程度の規則に従って並んでいる数字の方が覚えやすい。 

・すなわち、英文法に精通しているほど、記憶を整理しやすく、再現の精度が高くなる。


というわけです。


つまり、
出てくる英文に出てくるフレーズや単語、スキーマに自分が馴染んでいるほど、一括りに処理できる英文の量(チャンク)が大きくなり、英文法が身についているほど、一連の英文を「記憶→再現」する負荷が軽くなることが考えられるのです。


なので、一見シンプルな書き写し課題ですが、簡易的な英語の総合力の判定に使える素材になるのではないかと考えているわけなんです。

一度、授業でやってみましたが、「書き写しにかかった回数」は何となく正規分布しているように見えました。
当然、帰国生などの英語に長けている生徒が回数少なく書き写すことができました。



また、私が気になっているのはこの「書き写し課題」の英語力における教育的効果です。

一つ目はこの課題の「記憶→見ずに再現」というプロセスが、対象をより効果的に記憶に残す方法だと実証されているため、この「書き写し」プロセスを通して、英文に出てきた表現を定着させられるのではないかということです。(Karpicke and Bluntの研究)

実際、記憶に効果があると言われているので、英文読解の理解度を確かめるのに、本文を読みながら「コンセプトマップ作り」を課題として出される先生も多いと思いますが、「コンセプトマップ」を作るより、一度読んだ内容を文章を見ずに自由に思い出して書いてもらうという課題の方が、本文の内容が記憶に残りやすいと結果が出ています。

これを応用すると、先ほどの書き写し課題は「対象の英文をより記憶に残しやすい」作業なのではないかと考えられ、学習したい英文にこのアプローチで取り組むことが効果的な可能性があります。


二つ目は書き写しの際に間違えた部分をフィードバックとして使うことによる、英語学習に対するメタ認知能力の養成です。
当然、書き写していれば間違えて書き写してしまうところが出てきますが、その間違いを分析することで、「自分は何が苦手なのか」が見えてきます。

単語の綴りが間違えていれば、まだ正確に覚えられていない単語の洗い出しになりますし
三単現のsが落ちていることがあれば、自分で作文するときにもそこを間違える可能性があることを示唆してくれます。 

このように間違いをうまく分析することで、苦手発見をし、それを克服することでさらなる成長を見込める可能性があるのです。



ということで、今日は「リーディング書き写し術」の
・診断テストとしての可能性
・教育的メソッドとしての可能性

のお話をしました。
最後までお読みくださりありがとうございました。